

倉田布美江さんは生粋の袋井っ子。現在は、袋井市内でご主人と建築事務所を営まれている建築士さんです。当館市民スタッフとしての活動だけではなく、市内外様々なフィールドで求心力となり、
いつも人の輪の中にいる倉田さんは、月見の里学遊館を愛してやまないスタッフのお一人です。
いつも人の輪の中にいる倉田さんは、月見の里学遊館を愛してやまないスタッフのお一人です。
袋井市に 建築家 長谷川逸子氏の公共施設が建設される・・・。建築設計を業としている者として興味を抱かないわけがありません。それをきっかけに私は、開館以来、主に「ものづくり」の市民スタッフとして学遊館に関わってきました。時を経て、市民スタッフの顔ぶれも、事務局の担当者も入れ替わりながら、館は変遷を遂げてきたのです
市民の芸術文化活動、創造活動の拠点。市民運営、ワークショップセンター・・・。どれも実験的であり、果たして市民はどのように関われるのか・・・。それを模索しながらの約10年。ここ数年でやっと「ワークショップセンター」として歩み始めたのではないかと感じています。市民運営とはいえ、事業すべてが市民の手で成しえるものではなく、専門的な眼力をもった企画スタッフが存在し、その企画によって招聘されたアーティストや評論家の方々の力によって、私たち市民の「鑑賞力」や「創造力」「感性」が訓練され、引き上げられてきているのではないでしょうか。
昨年、長谷川逸子氏の「建築ワークショップ」が開催されました。これまでにも何度かお会いしたことはありましたが、この時には地元で建築に関わる者としてワークショップのお手伝いをする機会に恵まれたのです。ワークショップは建築家らしい流れで、子どもたちは、まず設計図を描くことから始め、それを模型化するというもの。月見の里の私たちはこれまでの経験から、子どものことだもの、おそらく作り始めれば設計図とは違うものになっていくだろうと考えていたのですが、とんでもない。子どもたちは実に忠実に真剣に、自分の描いた設計図に近づけようと努力しているのです。長谷川氏は、子どもだからと甘えさせることはなく、ある意味容赦なく、それをいかに美しく完成させるか、真剣に子どもたちの作品と向き合っていました。そして子どもたちは、自分の想いをカタチにすることで応えたのです。これは、ものづくりを業とする者として、また時にファシリテーター役を務める者として、学ぶところが多くありました。そして、ワークショップの過程で 思い描いていたのとは少し違った 建築家 長谷川逸子氏の人間像に、少し近づけた嬉しさを感じることができたのです。
しかし、自分の時間を費やしてまで、しかもボランティアで、何故に私は「月見の里学遊館」に関わり続けるのでしょうか。自分の生き方の根底にある「ものづくり」と「ひと」との関わり、それによって得られる発見や感動も、ここでなくてはできないわけではないのに。
おそらく、学遊館の「建築の力」が、自分を引寄せているのだと思うのです。この館の空間の拡がり、自由度・・・。アーティストによって様々なインスタレーションが仕掛けられたり、集会室が劇団の小劇場に変わったり、公園やロビーがクリエイターのマーケットになったり、館の様々な場所で音楽が奏でられたり。いつでも、新しい表情を見せてくれる空間なのです。
反面、この白い空間は、何も邪魔しない風を装いながら、実は私たちに大きな課題を与えているようにも感じます。これは建築家から市民への投げかけではないかと。
建設しただけに留まってはいけない。何をもって「市民運営型のワークショップセンター」と名のるのか。学遊館のどの場所も、こうでなければいけない、という固定観念に縛られないのは、建築の力だけではなく、そこを使う私たちの感性に委ねられている様に思うのです。
この空間をどう使い、どう活かし倒すか。
それは市民の「創造力」・・・。そして育てられたその感性は、館を離れて様々なところに波及し、これこそが、地域の力となるはずなのです。

プロフィール
倉田布美江
2級建築士
インテリアコーディネーター
袋井市内で「倉布人(くらふと)一級建築士事務所」を夫と共に自営。意匠設計、リフォーム、コーディネート、収納計画等を担当。また市内外で様々な文化活動に関わり、「ひと」「もの」「こと」「くうかん」を結び、 創造力豊か な生活をつくる活動をしている。月見の里学遊館では、開館以来、市民スタッフ(サポーター)として主に"ものづくり"のワークショップの企画立案やファシリテーターを務めている。
倉田布美江
2級建築士
インテリアコーディネーター
袋井市内で「倉布人(くらふと)一級建築士事務所」を夫と共に自営。意匠設計、リフォーム、コーディネート、収納計画等を担当。また市内外で様々な文化活動に関わり、「ひと」「もの」「こと」「くうかん」を結び、 創造力豊か な生活をつくる活動をしている。月見の里学遊館では、開館以来、市民スタッフ(サポーター)として主に"ものづくり"のワークショップの企画立案やファシリテーターを務めている。









